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田七人参
杜仲葉
田七人参
近畿大学薬学部 教授 久保道徳
京都薬科大学  教授 吉川雅之

田七人参は中国でも比較的新しい生薬で、明の時代(1578年)に李時珍が著した本草書「本草綱目」に『この薬は近頃世に現れてきたもので、戦場での金瘡(刀等の切り傷や外傷のこと)の要薬として用い卓効があるといっている』と記されています。
 
田七人参は、お金に換えがたいほどよく効くことから「金不換」ともいわれ、漆のように傷口をふさぐ効果のあったことから「山漆」という別名をもっています。植物名のサンシチも山漆(中国発音:サンチー)に由来しているといわれています。
 
田七人参が有名になったのはベトナム戦争で、北ベトナム軍兵士が戦傷の治療に田七人参を主剤(80%)とする「雲南白薬」を用いて著効あったのが戦勝につながったという記事が世界に紹介されてからです。
 
その後、中国では田七人参を主剤(85%)とする「片仔廣(へんしこう)」という中薬製剤が慢性肝炎に有効であることが紹介され、中国を訪問した日本人は高価な本品をこぞって買い求め、税関で持ち込み制限を受けたという経緯があるほどブームを巻き起こしました。また、田七人参は薬膳料理にも用いられており、これらのことが背景となって健康食品として日本に導入されたと思われます。
 
田七人参の科学的研究は主要成分であるサポニンに、人参と共通するジンセノサイドRb1やRg1などが高含量であることや、特徴的な成分として、ノトジンセノサイドA〜Nなどが明らかにされています。筆者の吉川らは、マウスでの自己免疫疾患の抗炎症作用や肝保護作用のあることを明らかにしています。人参と共通する脂溶性成分のアセチレン化合物には、発がんプロモーター抑制作用や、がん細胞増殖抑制活性が知られており、がん予防作用やがん治療作用の可能性が示唆されています。また、広島大学医学部総合薬学科のグループが多糖体サンチナンAを分離して、マクロファージなどの網内系の貧食増強作用のあることを報告しています。

止血成分:アミノ酸デンシチン
血管内凝固症候群(DIC)に対する抑制作用
高脂血症ラットでの脂質代謝改善作用
人参が「補気薬」であるのに対して、田七人参は「活血薬」

中国の研究
冠状動脈の拡張作用、冠血流量増加作用、抗不整脈作用、心筋の酸素消費量の減少作用、血圧降下作用、抗炎症作用、鎮痛作用、CCl4(四塩化炭素)肝障害抑制作用など
臨床応用研究
産後の異常過多出血や、吐血、鼻出血など各種の出血の治療
冠状動脈疾患や、狭心症の治療効果

(薬事日報:2000年10月12日より要旨)健康食品を科学する(2) 天然素材の基源や伝承薬効を解説

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